傘のワークショップを考える2日間 ーはじめにー
10月8日、9日の2日間は、来年3月に実施する傘のワークショップに向けて、打ち合わせを行いました。
打ち合わせといっても、実際にやってみるのが一番ということで、本番さながらにワークショップをしながら、お互いに意見を出していくというかたちになりました。
まずはプレゼンテーション。意識の共有から始めます。
プロジェクトの転換を伝える
私たちが3月にラオスへ訪問した際は、「僧侶にアートとしての傘を寄進する」プロジェクトを行いたいとみなさんに説明していました。
しかし、実際にラオスの仏教に触れ、僧侶にインタビューをするなかで、それが難しいことがわかりました。動物や植物など、どのような柄であっても僧侶の頭上に掲げることは好ましくない、また、僧侶は柄や装飾のある傘を持たない(着飾ってはいけない)のです。
そこで私たちはプロジェクトの内容を方向転換することにしました。
もともとは「寄進した傘を持って僧侶が街を歩くことで、街の景観が鮮やかに」なればと期待していましたが、一番の目的は『街の景観を変える』こととして、傘をさすのは僧侶に限らないことにしました。
普段見慣れた場所を、景色を、日常を変えるということ
眩しいほどのオレンジ色の僧衣を着た僧侶の行列、晴れの日にとびきりの振袖を着て写真を撮る新成人、毎年多くのひとが待ち望む上野の桜。
毎日の生活のなかで、いつもの景色が突然姿を変えることがあります。
私たちは、そんなハッとする驚きとワクワクする瞬間をラオスで実現できたらと思っています。
2018年3月にラオスで実施するワークショップ概要(仮)
・100本のアート傘を制作する。
・ラオス国立美術学校、ルアンパバン美術学校、東京藝術大学の学生が共同で描く。
・場所は仏都ルアンパバン。
・傘の色の候補は、オレンジ、黄色、黒のいずれか。
・公共の場所に設置するなど、住民や観光客が自由に使用できるようにする。
プレゼンテーションの終わりに、
「私たち東京藝術大学から発信した企画ではあるけれど、ここに集まったメンバーは、プロジェクトメンバーの一員として、運営する立場で取り組んでもらいたい。同じ立場として、いろいろな意見を言って欲しい。」
そう伝えると、、、
「遠くからみると統一されているけれど、近くでみると違うという絵はどうだろう」
「お祭りで無料で傘を配ることがあるよ」
「傘と同じような色合いの塗料を使うと統一性があるんじゃない」
「旧学校の方が街に近いからそっちでワークショップした方がいいね」
たくさんの発言が!
止めるまでずっと話し続けるくらいの勢いです。
この瞬間、私たちはとても嬉しく思いました。
ラオスのみなさんは、このプロジェクトにまじめに、そして楽しく向き合ってくれています。
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