傘のワークショップを考える2日間 ー1日目ー

プレゼンテーションの段階で白熱した話し合いとなり、すでに達成感のようなものも感じつつありますが、この2日間の本番はこれから。

さぁ、準備は万端!


1日目は「傘に何を描くか」を探っていきます。

ラオスと日本では、文化はもちろんのこと、学校で学ぶ「美術」も異なるはずです。

どのような方法、どのようなテーマがいいのか。

私たちが事前に準備したいくつかのトライアルを行い、意見を出していくことにしました。



① まずは描いてみる 

◎お題にそって絵を描く。

◎A1画用紙、画材(何を使ってもよい)

◎お題:

・昨日見た歌舞伎公演で印象に残ったもの

・日本で(ラオスで)印象に残ったもの

・今までの人生で一番多く描いたもの

・好きな食べ物

・感情がある太陽(ただし、目や口など、顔は描かないこと)

お互いに「どんな絵を描くのかな」と探り探りで描き始めます。

ひとつ描くごとに、「これは一緒にラオスで食べたよね」「アニメが好きなの?」と会話がはずみます。

いつのまにか鉛筆を持つ手の緊張も解けて、画用紙がそれぞれの絵で埋まっていきました。



② 図形を基点とする 

◎指定された図形とテーマで絵を描く。

◎20種類ほどの図形のなかからひとつ選ぶ。図形はA4用紙1枚にひとつ印刷されている。

 図形を選んだ人とは別の人がテーマを決める。図形とテーマは同時に発表する。

◎ルール:

・図形を含めて描くこと

・制限時間3分 or 5分

・赤だけ使って描く(4回目のみ)

◎出されたテーマ:

1回目:花

2回目:行ってみたい場所

3回目:こわいもの

4回目:お祭り

図形から絵を描くというのは、ラオスで見つけた美術の教科書からヒントを得ています。

ラオスの伝統的な図案を学ぶとき、シンプルな線や図形を土台にして、複雑な図柄へと発展させていくのです。

普段学んでいるやり方に近いせいか、戸惑いはなかった様子。

ひとつの線や図形をどう捉えるか、それぞれの視点の違いがよく現れました。



③ 味覚を描く 

◎食べ物を食べて、その感覚を描く。

◎1回目:わさび、2回目:つぶあん、3回目:梅干し

◎ルール:

・食べる時は目をつぶる

・使えるのは一色のみ

・一筆書き

さて、打って変わって抽象的な指示が出ました。

顔を描いて、その表情で味を表現する人もいれば、線の鋭さやかたちで表現する人もいます。

わさびは特に印象に残った様子。



④  線で会話する 

◎線を描くことで、会話をする。

◎ルール:

・2人一組

・お互い向かい合って、1枚の画用紙に描く。

・2人で違う色(それぞれ一色のみ)を使う。

・一筆書きで交互に描く。相手が描いた線の終点から繋げて描く。

・1回目:自由に会話をする。

 2回目:普通の会話から始まり、どちらかがけんかを売り、けんかをして、最後に仲直りをする。

私たちはお互いに日本語とラオス語が分からないので、通訳さんを通して会話しています。

でもこの時は、自分の思いを言葉ではなく線で表現することで、相手に直接伝えることができました。

不思議な感覚ですが、会話はとても盛り上がり、あちこちで大きな笑い声が。



気がつけばもう日が沈む頃。

1日たっぷりと絵を描いて、会話をして、お互いのことをさらに知ることができました。

感想を聞いてみると、どれも今までやったことのないような内容だったとのこと。

味覚や会話を描くなど、感覚を絵で表現するのが面白かったという感想がある一方、

「傘のワークショップで描くもの」という見方からすると、基点となる図形があったり、テーマが具体的な方が理解されやすいのではという意見も。


2日目は実際に傘に絵を描いていきます。