傘のワークショップを考える2日間 ー2日目ー

2日目はいよいよ傘に絵を描きます。

1日目の終わりに出た意見をふまえて、「図形を基点にして描く」という方法をとることにしました。


テーマは「花」で統一します。

「花」は多くの人に共通して親しまれていて、描きやすく美しいものです。街の景観を変えるうえでも適したテーマであると感じました。


まずはウォーミングアップとして、1日目と同様に紙に描くことを何度かやってみます。



図形を基点にして「花」を描く(3種類)

みなさん経験済みなので、慣れた手つきで描いていきます。

楕円形を、花びらととらえる人、つぼみととらえる人もいれば、花を入れる器ととらえる人もいます。

花びらととらえた人の中でも、花の種類が違ったり、花が開いている加減が違ったりと、多様性があります。

「なるほど、私はこう描いたけど、あなたはそう描いたのね」と違いを楽しんでいる様子でした。



誰かが描いた図形に「花」を描く

次の段階では、4人グループに分かれます。

大きめの丸く切った画用紙に1人ひとつの図形を描き、他のグループと交換し、これまでと同様に「花」を描きます。

誰かが何かを意図して描いた図形に、何かを意図して花を描く。

図形が無機質なものではなくなったことで、自分と誰かとの関係性が見えてきます。


お昼休憩には、長谷部先生からお手製の赤飯の差し入れが。

もち米には慣れているはずなのに、色がついたご飯は珍しいようで、おそるおそる口に運びます。

気に入っていただけたようで、すぐになくなってしまいました。



傘に花を描く

さて、ようやく傘の登場です!


<1本目>

・4人グループに分かれて、図形を描き、他のグループと傘を交換。

・塗料の指定。図形は白、花は赤、黄色、オレンジのなかから1色のみを使用。

傘に絵を描くのは初めてです。感触を確かめながら、真剣な表情です。


<2本目>

・2人ペアに分かれて、図形を描く。傘はそのままで、自分が描いた図形に相手が、相手が描いた図形に自分が花を描く。

・テーマは「ペアの相手に贈る花」

・塗料の指定。図形は白のみだが、花は赤、黄色、オレンジの3色を使用してよい。

相手に贈る花と聞いて、真剣さが増します。

絵を通して対話を重ねてきましたが、そこにお互いへ伝えたいメッセージも加わりました。



上野公園の景観を変える

完成した傘をさして上野公園へ。

お天気にも恵まれ、鮮やかな傘が青空に映えます。

どれも思いが詰まった素敵な傘だったので、道行く人々に自慢げに見せて歩きました。

(大学に帰った後に、「傘が目立って少し恥ずかしかった」と照れくさそうに話してくれた方もいました。)

たった9本の傘でしたが、ほんの少し、上野の景観が変わったような、そんな気がしました。

来年、100本の傘を作ったら、ルアンパバンの街はどんな姿になるのでしょうか。

楽しみで仕方ありません。